カーメカトロニクス専門職業訓練プログラム

在日ドイツ商工会議所では、高い技術力をもった整備士不足解消に対応するため、ドイツ式「カーメカトロ二クス専門職業訓練プログラム」のドイツ車インポーターによる導入を支援する計画を進めています。

背景

自動車に導入される様々な仕様や技術に対応するために新たな自動車整備のトレーニングの必要性が増大しています。近い将来急速な増加が見込まれる電動車の整備に対応するためにも、次世代の整備士の雇用と教育のための新たなプラットフォームの創造が急務であると認識しています。 

在日ドイツ商工会議所は幾つかのドイツ車インポーターはと共に、既存の整備士トレーニングプログラム以外に高度な技術を持った整備士の雇用と教育のための新たなプラットフォームとしてのドイツ式専門職業訓練プログラムの開発に着手しました。

ドイツには多くの専門職業訓練プログラムが存在しており、ドイツ以外の多くの国でも同様のプログラムを導入して成果を上げています。

在日ドイツ商工会議所として、日本においてもカーメカトロニクス養成プログラムを導入しインポーターからの要請に応えるとともに正社員を支援することにより社会貢献すべく準備を進めています。

プログラムの目的

各インポーターのディーラーでの実地訓練と自動車大学校での講義により、理論的裏付けを組み合わせて電動車や自動運転等の最新技術まで含む深い知識を得て、カーメカトロニクスとして即戦力となる社員を養成する事を目的にしています。

プログラムの概要

  • ドイツのカリキュラムを基本に専門職業訓練プログラムを実施します。
  • 日独のカリキュラムの詳細検討のプロセスには、各インポーターの代表と自動車大学校に参加していただきます。
  • 教材はドイツのものをベースとし、日本の事情に合わせて一部修正を加え、在日ドイツ商工会議所で用意します。
  • 全体の70%を現場(ディーラーの整備工場)でのOJT、30%を自動車大学校での講義に割り当てます。(大まかには1年のうち8か月をOJT、4か月を講義に割り当てる想定です。)
  • このように現場で習得する技術と論理的知識を結合させることにより、研修生は実際に彼らが現場で行う作業について(電動車や自動運転等の最新技術を含めて)深く理解することが可能となります。
  • 一定期間のOJTののちに講義を受講する構成で、これを3年間続けることにより必要な全カリキュラムを習得できます。

研修生について

  • 研修生はインポーター/ディーラー/在日ドイツ商工会議所で募集し、3か月程度の選考期間を経てディーラーが採用します。
  • 研修に必要な費用はすべてインポーター/ディーラーが負担します。
  • 研修期間中は生活費用のサポートを受けることができます。
  • 3年間OJT/講義のサイクルを続けることにより、資格取得に必要な全カリキュラムを習得できます。
  • 研修中に行われる2度の試験に合格すると、ドイツの規定に基づく証明書が付与されます。

プログラムの強み(Win-Win環境へ)

ディーラーにとってのWin

  • 体系的なOJTシステムの構築
  • 優秀な社員の確保
  • 離職率の低減
  • 専門知識の高い社員の新キャリアパス(OJTトレーナー)
  • ドイツ式Meister制度の資格(OJTトレーナー)

学校にとってのWin

  • ドイツカーメーカーと共同で新教育制度を構築
  • 学校の持つ人的・物的資源の有効活用

インポーターにとってのWin

  • 体系的なOJTシステムの構築
  • ディーラーでのサービスクオリティの改善
  • 顧客満足度の向上
  • ブランドイメージの向上

学生にとってのWin

  • 雇用契約提携により就職先(ディーラー)を保証
  • 体系的なオンボーディング・プログラム
  • 日本とドイツの資格を同時に取得(将来の計画)
  • 専門家からの指導により最新テクノロジーと技術を習得

専門職業訓練プログラム紹介動画

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